謎が謎をよんで幻になる【ウトグチ瓦窯展示館】
福岡県春日市白水ヶ丘の通り沿いに、独特なフォルムの建物があるのを以前から見つけていましたので、今回訪ねてみることにしました。そのお話です。
春日中央通りを曲がって、↓
春日西通りを進んでいくと↓
白水小学校の正門があって↓
その隣りに個性的な建物があるんです。こちらが今回の目的地なんですが、↓
その実態はというと、【ウトグチ瓦窯展示館】なる施設であったのだ。こんにちは。↓
ブッシュドノエルみたいな形。↓そういえばクリスマスもうすぐですね!!
それはさておき、こちらの展示館はなんなのかといいますと、その名の通り瓦窯の跡を保存して展示している館であり、↓
春日市のHPによりますと
ウトグチ瓦窯跡は天神山水城の南側約400メートルに位置しています。出土した瓦は奈良県の山田寺に系譜がたどれる文様が特徴的です。
天井部分はほとんど崩落していましたが、地下式の登り窯です
とのこと。
ちなみに『山田寺』というのは、蘇我倉山田石川麻呂(蘇我馬子の孫)の発願により建てられた奈良県のお寺のことだそう。(→wikipedia山田寺)
ではさっそく入館します。↓
受付を済ませて先へ進むと↓
館内には出土品が多数展示されていました。
模型もいい感じ。↓
九州では最も古い窯跡。そして福岡県指定史跡!!
「ウトグチ」という名はかつての地名から取られている、との説明がありました。
昭和62年に発掘された7世紀後半の瓦窯の跡。つまり飛鳥時代!!
丘陵の斜面に造られていたのぼり窯で、2基のうち1号窯のほうを発掘調査時そのままに展示してあります。↓
いやいやどうして。なかなかの迫力です。全長14メートル。階段があって、近づいて見学することもできますよ。↓
こちらの窯からは『鴟尾(しび)』とよばれる、寺院で使われる装飾品が、多量の瓦や鬼瓦とともに出土したとのことで↓
それはつまり、この「のぼり窯」は寺院の建立のために使われたに違いない、と推測されており、↓
そのお寺というのは、おそらく『白水廃寺』であろう!と考えられているそうです。
だがしかし、肝心のそのお寺『白水廃寺』はまだ謎に包まれたままなのだ!!
それでは展示館を後にして、外へ出てみることにします。↓
こちらは併設の「復元のぼり窯」と「のぼり窯体験広場」。焼き物教室が行われているのだとか。↓
それはさておき、ああ幻の白水廃寺よ。謎めいているのがいいし、謎めいているからいい。終わり。
(2021年現在、展示館の利用方法に変更があるそうです。※要確認→春日市HP)
【ウトグチ瓦窯展示館】
福岡県春日市白水ヶ丘1丁目4