点と線を辿ってみた 1/2【香椎駅】
作家松本清張が生んだ名作の一つとして良く知られる作品【点と線】。
映画化もされていますし、小説の舞台(ある意味で)が福岡市東区の香椎地区ですので、福岡の人にとっても思い入れがある作品かもしれません。
物語はこんな具合に始まります。(※ネタバレします。注意)↓
東京からはるばるやってきた二人の男女が、<香椎駅>で降りて夜の海岸へと向かいます。
その翌日、海岸の岩場で心中した二人の姿が、名島の工員によって発見されたのでした
そして↓
痴情のもつれかと思われた事件に違和感を覚えたのが、福岡の中年刑事【鳥越重太郎】そして捜査を行う東京の警部補【三原紀一】。
ほんの小さなほつれが、徐々に大きな渦を巻き巨大汚職事件と複雑に絡み始めるのだ!!
というのが、おおまかなお話です。ところで皆様、お気づきになられましたでしょうか!?
福岡の中年刑事の名前が‘重太郎’!?そして事件の第一発見者が名島の工員!?あらあら。
思い出しますね、先日訪れた名島地区の『岩見重太郎』(↓)のことを!!
ここから名づけた説あるある!!(名推理)。
ちなみに、被害者が東京から博多まで乗ってきた特急『あさかぜ』は
現在、東区貝塚の『貝塚交通公園』(↑)に展示してあります。
さてさて。福岡人として身近に感じるこの作品を読んだ私は、犯人と被害者が犯行当日に歩いたであろう道を辿ってみたいと思ったのであった。
その前に【点と線】のお話の補足を少しだけ。
犯人である機械工具商会の経営者【安田】は、自身が絡む汚職事件の解明を防ぐため、鍵を握る××省の【佐山】を消そうと考えました。
ばれないように、安田はついでに自分の愛人である【お時】も殺して、二人セットで情死に見せかけようと計画。
その犯罪に協力したのが安田の妻である【亮子】。彼女は時刻表マニアだったのだ!!
そこで↓
西鉄香椎駅と国鉄香椎駅が近くにあるのを利用し、安田は愛人のお時を連れて西鉄香椎駅から降りる。妻の亮子は佐山を連れて国鉄香椎駅から降りる。
二組のカップルはお互い微妙な時間差で香椎の海岸へ向かい、それぞれがそれぞれを青酸カリが入ったジュースで殺すのでした
以上が犯行の詳細となります。ではさっそくその道を辿ってみましょう。↓
こちらが「JR香椎駅(国鉄香椎駅)」。出発地点。↓
ここで21時24分に亮子と佐山が降りました。駅前のロータリー。↓
そして二人は駅前通りを「西鉄香椎駅」方面へと向かいます。↓
すでに西鉄の高架が見えていますね。高架の辺りは、以前は踏切だった場所。↓
高架を過ぎたらすぐに右へ曲がります。
すると「西鉄香椎駅」に到着というわけ。ざっと5分くらいの距離ですね。
現在「西鉄香椎駅」駅前には、清張ゆかりの桜の樹が植えてあります。↓
作品内では、ここ「西鉄香椎駅」で21時35分に安田とお時が降車。↓
この駅付近にて、果物屋の客が、カップルの会話を聞いたという証言をしています。
「ずいぶん寂しい所ね」
これはお時が安田に言った言葉。
この二人もまた香椎の海岸を目指すのです。つまり、ほぼ同時刻に二組のカップルがそれぞれ香椎の海岸へ向かって、この通りを歩いていたということ。
ですので私もまた、先ほどの『セピア通り』という駅前通りへ戻り、そこから彼らに続いて、海岸へ向かって歩いていきたいと思います。↓
3号線を渡って↓
その先へのびる細い道をしばらく歩きます。
川にかかる小さな橋を渡ると↓
目の前に香椎浜団地が広がります。敷地内には入らず↓
少し迂回して団地と団地の間を抜けていく。↓
するとそこは海。香椎の海岸。
それはつまり現場に到着です!!??え!?
とはいかないのであった。
私は致命的なミスをしてしまっていたんです。
この辺りは埋め立てられた場所だから…。当時、香椎浜団地は海。私は海を歩いてきたってことになるとかならないとか。↓
果たしてどこで道を間違えてしまったのか。次回に続く!!↓
【西鉄香椎駅】
福岡市東区香椎駅前2丁目52