客を逃さない!「蔦」紋が好まれるなど【暖簾の紋章】
昨年のことです。かつて柳町があったという下呉服町界隈をぶらり一人で散策してみたわけですが、その時!
電信柱に張り付けられた歴史小話のプレートに、↓
こんな小話を見つけていたのでした。↓
須崎浜周辺に日本最初の遊女町が出来た。当時の遊女に博多小女郎という絶世の美女がいて、博多小女郎にはステータスとして「梯の暖簾」の使用が許可された
「梯の暖簾」!?はあ!?なにそれ。とっても気になります。そこで書籍やらネットやらであれこれ調べてみたものの、結局分からず仕舞い。
それから年が明けて先日のこと。給水塔に纏わる書籍を返却しに図書館へ向かったところ、
新入荷の棚に偶然こんな書籍を見つけたんです。それがこちらの『暖簾の紋章 / 村中憲二』。
あれ?暖簾!?紋章!?おやまあ運命が向こうからやってきました!?
とにもかくにもさっそく借りて読んでみましたので、今回はそのお話をしたいです。(書籍より一部参照させていただきます。ありがとうございます)
ページをめくるとまずこんな文章が目に入ってきました。
江戸時代、家名の名乗りを許されない商人職人らは屋号と店の紋章である「暖簾」で自らを表した
ってことは!?「梯の暖簾」は暖簾紋のこと!?そう考えるのが正しい推論な気がする。
それは自ずからのステータスを表す標、暖簾に染め抜かれし紋章。
ほらそういえば。お店から営業権を分け与えられる「暖簾分け」なんて言葉も、どこかでちらちら聞いたことありますよね。つまりブランドのような、無形の価値を示すものが暖簾のステータス。
そんな暖簾紋の種類に関して言えば、例えば「山形の紋」だとか「亀甲の紋」「井桁の紋」などなど多種多様にあるらしい。また書籍内には遊女と暖簾紋に関する記述もありましたので、
そこからも少し参照させていただきます(ありがとうございます)。↓
家紋本によると、水商売では、客を逃さない意として、「蔦」紋が好まれると一般的に良く言われているけれど、調査してみると案外そうでもなさそう
続きます。↓
吉原の案内本『吉原細見』によると、遊女に対する紋章は見られず。ただ遊女名の上に『違い山形』と『山形』が掲出されるばかり。これはランク表示を意味するものでありかつ料金表でもあるのだ
だそう。ここでいう「山形紋」というのは△の下辺が無い形であり、また「違い山形紋」というのは「山形紋」が少しずれて重なって二つ並んだ様を言います。
で、結局ここでもやっぱり肝心の「梯」は見つからず。残念。えちょっと待って。それならば!と、
「梯子紋」で検索してみたところ、こんなお話が見つかりました。(参照させていただいたサイト様、ありがとうございます)
梯子は昇降のための道具であり、それつまり上昇する縁起から家紋に採用されたのです
ほぅなるほど。ってことはですよ、高い所に昇る→上昇する→成り上がる→トップを取る。そういう意味合いからの『梯の暖簾(紋)』と考えるならば、
プレートに記されていた、↓
ステータスとして「梯の暖簾」
はつじつまが合う気もしますじゃんか!?どうです!?結局確かなことは未だ謎。
詳細が分かり次第緊急でお届けしたいです。終わり。