孝徳天皇の病気平癒を祈って蘇我日向が建立【般若寺】

先日、福岡県太宰府市の大宰府政庁隣にある施設『大宰府展示館』を訪ねた時のことです。

入り口入ってすぐにある大きなジオラマを見ていたら、小高い丘に【般若寺】の文字を見つけたんです。

【般若寺】!?聞いたことがあるようなないような。訪ねたことってあったかな。自サイト検索をかましたところ

こんな記事が出てきました。

そこでさっそく読んでみると、↓

般若寺は大化5年(649)、大宰帥に任ぜられた蘇我日向が、孝徳天皇の病気平癒のために建立したと伝えられるけど、出土する瓦からは8世紀の奈良朝の建立ともされています。また、いつ滅びたかは不明だけど、この地は般若寺跡と伝えられ、塔の心礎と石像七重塔が建っています

とのこと。あら訪ねたことありました。でも、このジオラマにおける【般若寺】の存在感!!イメージと全然違う!と思っていたら

館内に【般若寺】についてまた別の説明書きがあって、↓

読んでみるとこうあったんです。

般若寺跡。筑紫太宰帥蘇我日向が孝徳天皇の病気平癒を祈り、654年に建立したといわれる古代寺院。太宰府市朱雀2丁目に般若寺という字名、住宅地の一角に塔跡の一部と心礎(塔の中心柱の土台となる石)。近くには鎌倉時代の七重石塔

あれ、さっき見た過去記事【般若寺】内からの引用では建立は649年だったような!?さておき、説明書きは続きます。↓

筑紫野市にあった塔原廃寺が奈良時代に大宰府へ移転したという説も

「近くには七重石塔」!?あれ!?七重石塔のある場所が般若寺跡では!?何事!?世界でなにが起きている!?色々わけが分かりません。

そこで今回、七重石塔そばにあるという【般若寺跡】を訪ねるべく、太宰府市朱雀2丁目へ向かってみることにしました。そのお話です。

※ちなみに「塔原廃寺」説については、こちらの記事でもお話があって!↓

それはざっくり参照するとこんな具合。筑紫野市HPからのお話です。

聖徳太子の伝記『上宮聖徳法王帝説』の裏書には、筑紫大宰帥の蘇我臣日向が、白雉5(654)年に孝徳天皇の冥福を祈って「般若寺」を建立したことが記されています。それがこの塔原廃寺のことではないかと考えられています。『筑紫野の指定文化財』より

冥福!?病気平癒!?wikipedia「孝徳天皇」の項によりますと、孝徳天皇は654年11月に崩御されています。

一方、般若寺は同654年の建立。建立にはその前から取り掛かっている筈だから、やはり病気平癒の目的強めで、かつ、時期的に冥福を祈っての「般若寺」建立ということ!?でしょうか。

それでは西鉄二日市近辺からスタート。

駅前スーパー『イオン二日市駅前店』脇から丘へと坂道がのびており、

なんとか頑張って上っていくと、

通り右手に教会があって、

そこから左へ道がのびています。

その小路の右手に案内板が張り付けられており、

ここがどうやら【般若寺跡】ということみたい。

ちなみに、教会をもう一つ先まで進んで左へ曲がると

そこには七重塔が立っていて、

ここもやっぱり【般若寺跡】。

つまり!この坂道を上った丘一帯が【般若寺跡】といえるようです。なにせ、あのジオラマの存在感ですから。

というわけで、元の【般若寺跡】まで戻って、

案内板を読んでみたいと思います。↓

孝徳天皇の病気平癒を願って、筑紫太宰帥蘇我日向が654年に建てた古代寺院。奈良時代に条坊内に移建されたとされます。当時条坊内の寺院は観世音寺と般若寺と天皇ゆかりの寺院のみ。塔基壇や塔心礎が見つかっており、鎌倉時代に造立された石製の七重塔が残っている

こちらには詳細な説明書きがあって↓

読んでみるとこうありました。↓

般若寺は蘇我日向が建立(上宮聖徳法王帝説裏書)。この裏書にある般若寺は塔原廃寺と推測されます。この付近一帯は以前から地名や伝承によって、古代の寺院跡と知られていました。ここはその塔跡。現在、基壇上に残る塔の心礎は本来の位置ではなく、わずかに動かされていることが分かっています。伽藍の全容解明には至っていません。ここから東100mの所には、鎌倉時代建立と考えられる石造の七重塔が建っています

小さな階段を上ってみると、心礎!?礎石!?がポツンと一つ。ではそろそろ帰りますか、と、

今一度地図を確認してみたところ、おや!?気になる箇所があるんですが!?それはこちら。【般若寺瓦窯跡(消滅)】。

(消滅)っていうんだからもうないはずだけど、その面影を訪ねてみたい。早く訪ねたい。そこで、

元来た道を途中まで戻り、なんとなく地図と照らし合わせたやって来たこの辺りが、【般若寺瓦窯跡(消滅)】じゃなかろうか。ざっくりと。お願いしたい。↓

それからそのまま坂道を下ったところには『客館跡』があって、

ということは、そのすぐ先のところには『榎社』があるわけで、

今回はここでお別れとなります。

さようなら、我が友よ。完。


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【般若寺跡】

福岡県太宰府市朱雀2丁目18-1

【般若寺跡(七重塔)】

福岡県太宰府市朱雀2丁目16-18