野獣がいるかも知れない森の古墳【大平寺古墳群】
福岡市南区の大平寺地区。「大野城二丈線」の通りから、わりと急な坂道をのぼっていくと↓
住宅街の中に『緑地公園』が広がっています。まるで鬱蒼とした森といった趣きで、どこか怪しげな雰囲気もある。
入り口そばのところに案内板がありましたので、近くへ寄って見てみることにしました。
え待って。動物の足跡!?そして、びりびりに引き裂かれた説明書き。ああ心底恐ろしい。↓
野獣がいる…。恐怖で気持ちは沈む一方ですが、せっかく急な坂道のぼってきたわけですし。このまま帰るのはもったいない。
そこでなんとか自分に喝を入れて森へ足を踏み入れたのでした。↓
きれいに整備された遊歩道。辺りは薄暗いけど、木漏れ日を浴びるとなんだか気持ちが落ち着きます。
木々の間からは、ちらっと湖が見えている。野獣が出れば、あっちへ逃げれば良いだろう。危機管理は必須スキル。↓
飛んでくる虫を両手で払いながら、さらに進んでいくと案内を発見。こちらが今回の目的地【大平寺穴観音】。↓
もう真っ暗。だいぶ怖い。
羨道があって、その先に玄室があります。横穴式石室。
フラッシュをつけて写真を撮ってみるとこんな具合。さて、ところで。↓
こちら【大平寺(たいへいじ)古墳群】というのは、その名の通り『大平寺』にある古墳跡で、6世紀後半から7世紀初めのものなのだそうです。
かつて遠い昔、地域の人々がこの古墳の内部に観音様を祀ったことから、【穴観音】と呼ばれるようになったと。
またもう一つの案内板にはこう記してありました。↓
古墳7基のうちの3基は消滅し現在は4基を見ることができます。こちらは6号墳。残存部から推定すると、直径約15m高さ約3.4mの円墳。南西方向に石室が開口しています
現在【大平寺穴観音】と呼ばれるこの6号墳のみが良い状態で保存されているけれど、残る古墳群も、このうす暗い森のどこかにひっそり隠れているのでしょう。また↓
池の周辺では鉄滓や製鉄炉の破片が散布していることから、古代の製鉄所があったかもしれません
との記述も。先ほど見たのは湖ではなく池だったのか。そして結局、熊にも野獣にも出会いませんでした。ひと安心。ちょっぴり残念。
だけどね、カッシーが。カッシーはいたから。↓
つまり案内板に残されていたあの足跡は、カッシーの可能性が高い。
続く。↓
【大平寺古墳群】
福岡市南区大平寺2丁目17-13