古代の人へ伝えたいことは案外無い【王城山4号墳】
先日、福岡県大野城市の乙金地区界隈を散策していたんです。↓
この辺りは「ザ・ただ今開発中」って感じの区域。いわば新興住宅地といった趣きで道路もお店もどれもこれもが真新しい感じです。↓
メインストリートと思われる『現人橋乙金線』という通りから住宅街へ入って、そこからさらに下っていくと↓
住宅街の中にフェンスで囲まれた空地がありました。↓
フェンスには案内板があって【王城山4号墳】と書いてあります。↓
さっそく読んでみると↓
この古墳は、土を盛り上げて造った円墳。周りには濠があって、濠を掘った土も盛土に使われています
そして
横穴式石室で、古墳内部には前・後に別れる2室があります。石室入り口前には広場があって、ここで死者を弔ういろんな祭りが行われました。
出土品から、この古墳は6世紀のものと考えられています。昭和45年に発掘調査され、株式会社ピアノターミナルナカムラにより保存整備されました
とあって、また大野城市のHP内にある『大野城市/わたしたちの文化財』を参照してみますと(引用)(リンクキレ)↓
乙金区正栄寺の裏山、ピアノターミナルナカムラ㈱の敷地内に保存されている。古墳時代後期(約1300年前)の円墳で、直径が15~16m、単室の横穴式石室が完全な形で残っていた。
須恵器・勾玉・刀子・鉄族・馬具などが出土した。周辺には古墳が数十基見つかっており、未調査の古墳も残っている
とのこと。(フェンスの隙間から真剣な眼差しで激写する著者↓)
王城山古墳群からは新羅土器が出土しており、これは朝鮮半島との強いつながりを示すものだと考えられるそうです。
会社の敷地内にある古墳ですので、もちろん中へ入ることはできません。
いや、ひょっとして入れるかも!!
と思って周囲をみてみたけど、やっぱりだめみたい。↓
でも、石室の入り口を発見。この石室の前に広場があって、そこで儀式が執り行われていた、ということでしょう。↓
おや!?石室の真ん前に案内板があるぞ。↓
そして案内板は、石室内部を向いている。これは見学者のためではなく、石室内にいる古代人へのメッセージだと思われます。
「ここはもう古代の人の土地ではなくてピアノターミナルナカムラの敷地です。そしてピアノターミナルナカムラは、ピアノ運送を専門にした会社です。」
そんな古代人へのメッセージが書かれているんじゃなかろうか。終わり。
【王城山4号墳】
福岡県大野城市乙金2丁目8