落としてない物が落し物になる瞬間【片手袋研究入門】
最近、落し物してますかー!?オー!!
さて先日、図書館から電話があって、あなたの図書カードが落し物として届いてるんですが!?
というメッセージを告げられたのでした。
確認してみると、確かにない。いったいどこで落としたのか、さっぱり見当がつきません。お話によれば図書館内に落ちていたらしいんですが。
じゃあいったいどのタイミングで落としたのか。落とした覚えなんてまるでないですけど!?まあ覚えがあったら、落としてないんですけど!!こんにちは!!
とにもかくにも、ダッシュで図書館へ向かい、ありがとうございましたとか言って、カードを受け取ったそのついでに、↓
こんな本を借りたのでした。それがこの本。↓
【片手袋研究入門】。
こちらは、落し物といいますか、町で見かける片方だけの手袋『片手袋』について考察した本。
道端に落ちている片手袋を、それぞれ、手袋の持つ目的・落とした過程・状況や場所で分類し、
その背景について細かく研究し、著されています。また著者によりますと、片手袋が落ちている要因としては、注意力散漫になる「魔の一瞬」が訪れるのだともありました。
手袋に限らずですが、こうして落し物、もしくは落とした行為に対して論理的に突き詰めていくと、所有物が落し物になっていくストーリーが見えてくる気がします。
そして、これまでは気にも留めなかった他人の落し物に対して、その背景にある奥深い人生の一コマを感じずにはいられなくなったのでした。あれ、そういえば、
ずいぶん昔だけど、福岡市中央区警固にある『味噌喰地蔵尊』を訪ねた帰り道に、↓
片手袋が落ちているのを見たはいいものの、そのあざとい姿を痛烈に批判したことがあったなあ(遠い目)。
ちなみにこの状態は、こちらの本が提唱する分類で言うところの「介入型」らしいです。
さて、ここで本題に戻りますね。私はなぜ図書カードを落としたのか。筋道立てて考えてみます。
普段財布に入れているカードを取りだしたのはなぜか。どこでカードを取りだしたのか。
そのあと、なぜ財布にしまわなかったのか。こうして一連の動きを考えていくと、自ずと答えは見つかるのであった。
それはずばり、検索機での検索時!間違いない。私のカードを届けて下さった方、あなたに平穏が訪れますように。サンキュー、拾得者。おわり。
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【片手袋研究入門 / 石井公二(実業之日本社)】