生き抜くための俳句塾【今週の一冊】
俳句についてなにも知らないっていうのは流石にいけないなと思って、目の前にある現代新国語辞典をおもむろに開いたのでした。こんにちは。
『俳句』の項をバッと見事1発で引き当ててみたら、そこには↓
俳句。連歌の発句が独立したもので、五・七・五の三句十七音を基本形とする短い詩。原則として季語を含む。俳諧。発句。正岡子規が名づけた
とありました。またwikipediaの俳句の項を見てみると↓
俳句は、句に季節感を与える季語を含み(有季)、五・七・五の十七音の型で作る(定型)事を基本とする日本の定型詩。俳諧の連歌の発句を基礎とし、それが独立して成立した。
17世紀に松尾芭蕉が出ると発句(最初の句)の独立性の強い芸術性の高い句風(蕉風)が確立され、後世の俳句に影響を与えた。
明治時代に入り、正岡子規が、幕末から明治初期のありふれた作風を「月並俳句(月並俳諧)」と呼んで批判。俳諧から発句を独立させた。これ以降「俳句」の語が一般に用いられ、以降近現代の俳句につながるようになった
というお話が。さらについでに正岡子規についてもwikipediaで調べてみると↓
正岡子規は、日本の俳人、歌人、明治を代表する文学者の一人。ホトトギスの漢字表記の「子規」を自分の俳号とした。
「歌よみに与ふる書」を連載。病に臥しつつ『病牀六尺』を書いた。「柿くへば…」の名句は、漱石作「鐘つけば 銀杏ちるなり建長寺」の句への返礼の句。
短い生涯において俳句・短歌の改革運動を成し遂げた。写生・写実による現実密着型の生活詠を主張したことが、俳句における新たな詩情を開拓するに至った。
とのこと。そういうわけで、俳句についてなんとなく分かったんだけど、やっぱりなんとなく分かってません。そこで図書館へ行って、こんな本を借りてみたんです。↓
【生き抜くための俳句塾 北大路翼著】
ひとたび読み始めたら、思いのほかすらすら読めてとても面白かったので、今回ご紹介させていただきます。
俳句に一家言もつ不良兄貴が、ちょっと弱気な若者に対して、時には熱く時には軽口で軽妙に語りかける、そんな楽しい俳句指南書です。優等生向けではないけれど、俳句の面白さそして神髄が語られた魂の一冊。
本の構成としては、まず俳句とはなんぞやと、それから俳句の持つ楽しみ方そして句の作り方、はたまた句会のお話もあって、大まかな俳句界隈の世界をのぞきみることが出来ました。
さらに著者オススメの25句も解説つきで語られていましたよ。それも良かった。
だがしかし、ですよ。実際のところ、俳句って一文字一文字の重みがやばみじゃないです!?言葉をあれこれ推敲するのは苦手オブ苦手。
さらに季語まであるっていうから、もう大変。自分の新たな趣味として、俳句作りは向いてなさそうです。残念。
そう、作る楽しみよりも、読む楽しみ。人の句を読んであれこれ言う方が、自分に合ってる気がします。
それでは、再び本のお話に戻りたいと思います。この本と出合った一番の収穫といえば、超お気に入りの句を見つけることが出来たこと。ここで勝手に人の作品を載せていいのか果たして分からないけど、
勝手にごめんなさい。その句がこちら。↓
私まだ 私が好きよ 大晦日
色々と解釈もできるんでしょうけど、その辺はどうでもよくて、単純にいいなあと思ったんです。最近、この句がことあるごとに頭の中に浮かんで来て、ぶつぶつ心の中で口ずさんでいます。
人の句なのに、例えば「大晦日」のところを「夏の朝」とか「草いきれ」「雨上がり」さらには「イニエスタ(季語は冬)」とか、
その時その時によって語感の良いものをあてて楽しんでるんです。勝手にごめんなさい(2回目)。
そこでちょっと思ったことがあるんですけど、聞いてもらっていいですか。
自分の心の中にお気に入りの句がいくつかあると、人生がうまくいきそうな気がします。1週間毎日1句で、計7句もあれば充分かも。多過ぎても覚えきれませんから。
今回さっそく1句見つかりましたので、残すは6句。運命のロックをこれから探していきたい。そう考えていたら、もう一刻も早く探したい欲が止まらなくなったので、
再び図書館へ向かい、今度は「折々のうた三六五日 大岡信」を借りて読んでみたんです。
こちらもまた噛みしめるほどに味わい深い1冊でした。
さらに、一緒に借りた「柿喰う子規の俳句作法 坪内稔典」も良かった。正岡子規ってスゴイヤバい(いい意味で)。
さらにさらに、こちらも一緒に借りた「奥の細道 俳句でてくてく(路上観察学会)」も、旅情をそそられて楽しい1冊でした。
これからも好きな句が見つかり次第ご報告したい。最低でもあと6回はご報告したい。ほんとはもっとご報告したい。
ご清聴ありがとうございました。終わり。
【生き抜くための俳句塾 北大路翼】
【折々のうた三六五日 大岡信】
【柿喰う子規の俳句作法 坪内稔典】
【奥の細道 俳句でてくてく 路上観察学会】