少しもうっかりしていない八兵衛【成道寺/八兵衛地蔵尊】

唐人町にある『成道寺』の境内に【八兵衛地蔵】というお地蔵様が立っていると聞きましたので、さっそく訪ねてみることにしました。

『成道寺』は浄土宗のお寺。地下鉄唐人町駅から北へ向かって歩いた先の、唐人町商店街のすぐそばにありました。

辿り着いたこちらの東門は裏口らしいので↓

表へ廻って、境内へお邪魔します。↓

人も車もひたすら多い『明治通り』のそばの立地ですけど、なんだかとても静かで落ち着いた雰囲気。

参道を進むと↓

本堂があって↓

その途中にあるこちらのお堂が、今回の目的である『八兵衛地蔵尊』。↓

額には『八兵衛地蔵大菩薩』とあって、こちらは「消防の守り地蔵」とのこと。ということはつまり!?推測してみます。↓

○この八兵衛なる人物が、かつて火消しの達人であったことから地蔵尊が建立されたのか?

○まるで逆に、八兵衛なる人物がうっかり火事を起こしたけれど、町のみんなで火消をしたのだった。うっかりな八兵衛を忘れないために地蔵尊が建立されたのか?

いえいえ。私の推測はまるで違ったのでした。さて説明書きによりますと↓

1694年、元禄の頃のこと。『須崎町』で火事があり、各町の火消が集まって火事は無事に鎮火しました。

その際に『唐人町』の火消と、よその火消との間で喧嘩が勃発。相手側に死者が出たのでした。

死者まで出した争いごとですので、町奉行(いわゆる警察)がやってきました。そして町奉行はお達しを出します。↓

下手人を捜し出しなさい。

この「下手人」というのは実際の加害者でなくてもよいらしいんです。誰でもいいから、加害者側から罰を受ける人物を差し出しなさいということ。



すると、とある人物が名乗りを上げたのであった。↓

この時に名乗り出たのが森八兵衛なる肥後(熊本)の浪人。八兵衛は父を探しにこの地へやってきていて、【成道寺】そばに住んでいました。

八兵衛は言います。↓

「私は独り身だし、病気のとき助けてもらったから…。だから…。」

町のみんなに恩があるから、代わりに罪を被りましょう。

その上、町奉行にこんなことまで言っちゃう八兵衛。↓

「火をつけたのも自分だよ。」

こうして八兵衛は自ら下手人となり、処刑されてしまったのでした。このことをもって火事騒動は一件落着。

八兵衛の処刑後、彼を供養するために建立されたのが、こちらの『八兵衛地蔵尊』。↓

毎年8月の終わりには、八兵衛を弔うお祭り『八兵衛地蔵尊大祭』が開かれているのだそうです。


【成道寺/八兵衛地蔵】

福岡市中央区唐人町1丁目8-53