彼女はどうして走るのかその理由と目的の考察

同じ時間帯に同じ場所に何度かいると、同じように同じ時間帯に同じ場所にいる人が気になってきます。例えば通勤電車を待つ駅のホームとか。

しばらくすると、その相手に対して次第に好意を持ったり親近感を抱くことがあって、そういう現象を心理学では『ザイオンス効果』というらしいんです。

効果の詳細は分かりませんが、言葉の意味合いは良く理解できる。そういう経験、ありますよね!?

で、ですよ。先日こんなことがあったんです。聞いてください。

数日間に渡って、同じ場所へ同じ時間に行かなくてはならず、その道中の坂道で毎度すれ違う人がいたんです。

あ、今日もいるなとか思ってたんだけど、3度目くらいになって

いつも小走ってる、と気付いたのであった。

スーツ姿の女性で、でっかい荷物を抱えている。そしていつも小走り。とても大変そう。

この場合、心理学で言うところの親近感というよりも、自分の中の余計なお世話が高まり過ぎて

もうちょっと早く出たら、時間に余裕が出来るんじゃん!?とか思ってしまうんだけど。

でも待って。小走りなのにはきっと他に理由があるはず。別に急いでいるわけじゃないのかもしれない。例えば競技のトレーニングをしているだとか。いやまじで。

だから、もしもなにかの世界大会に出てたら、びっくりするけどとっても嬉しい。つまり、これがザイオンス効果!

そんなこんなで特別なことはなにもなく、二人の関係はそれきりになっていたんです。

で、その後日談。これ作り話じゃないんだけど、別の場所でその女性を見かけて!!その時も小走りで!!

でもね、見かけたのは前回からそう遠く離れた場所ではなかったので、勿論ありえない話ではないんですけど。

とにかくここで言いたいのは、彼女が走る理由や目的なんてもうどうでもよくて、ただただ応援したい。ん?いや、ちょとまてください。

ひょっとしてひょっとするぞこれ。逆に。逆にですわ。逆なんじゃが。私が彼女に応援されているのではないか?つまり、彼女はこう言っている。背中で。

あんた小走りで生きてみなよと。ちんたら歩いてんじゃねえよと。今日も明日も明後日も、多分一生彼女は小走り。だから私も頑張ります。

っていう心理学的効果を感じました、というお話でした。