陶器等とともに木製の人形が出土【お咒(まじな) い日和】

『傀儡』。くぐつ。そう、それは「JR都府楼南駅」を訪ねたときのこと。

駅から少し離れたところに謎のスペースが設けられており、そこに説明書きのプレート台が設置してあったんです。これはいったいなんなのかと。

さっそく読んでみたら、こんな解説が記されていたのでした。ここで再度ご紹介します。↓

小字 市の上。「市の上」には野菜などを商う大きな市が立った。最近の発掘調査で、市の上遺跡が発掘されており、市や官人の居住を思わせる遺跡や遺物が数多く出土。

ここは奈良時代に築かれた地方都市(大宰府条坊)の中にあり、中国からの陶磁器や国産の陶器等とともに、木製の人形が出土。傀儡・芸能としての人形に使われたとする見方があります

出土した木製人形が「傀儡」としての人形と考えられる、というそんな言及。傀儡とは操り人形のこと。そしてその木製人形がこちら。↓

記事からの参照はもう少し続きます。↓

一本も丸木を使用。平安京の西市(市場)から同じような木製人形が出土しています

という『傀儡』のお話。

 

さて先日、書籍【お咒 (まじな)い日和 / 加門七海著】を読んでいたところ、以前から気になっていたその『傀儡』にまつわるお話が記されていたんです。こんにちは。

さっそく書籍内「傀儡」の章から一部参照させていただくと(ありがとうございます)、↓

p168 専門とする芸人を傀儡まわし、傀儡子、傀儡師。発生時期は不明。平安時代には漂泊の芸能者として存在しています

続きます。↓

p175 傀儡子の芸は木偶まわしとなっただけでなく猿楽・能狂言となり、陰陽師や歩き巫女、神楽の源にもなった。神を招き神と感応し吉凶を操るマジナイの力を持っていた

そんな傀儡師の存在があって、そして肝心の木製人形についてはといいますと、↓

p182 神も宿れば魔も宿る。人の穢れを吸い取れば、人を呪う道具にもなる。人形は特別なもの

都府楼南駅すぐそばで出土したという、特別な人形「傀儡」のお話でした。終わり。

【都府楼南駅】

福岡県太宰府市都府楼南3丁目21-1